輪島のうまいが凝縮、2019年No.1居酒屋

陽が落ちると、輪島はどんより雲のまま妖艶な空の色に、寒さもぐっと下がった。

その日の夕食を一緒に食べる約束をしていた方が、急病のため夜はひとりで食べることに。

とっても楽しみにしていたから、流石に寂しさも増した。

夜はひとりごはん脱却!と思っていたから、日中寂しくてもなんとかやってこれたけど、夜が突然ひとりになったのは予想外。けど仕方ないしな。

気温のせいなのか、気持ちのせいなのかわからないけど、輪島の夜が一層寒く感じた。

石川の冬の味覚代表とご対面

予約してもらっていたお店に結局ひとりで行くことに。

初めてのお店にひとりで行くのなんていつもはなんてことないのに、急に小さくなる心臓。

私って単純だしそーゆーところ弱いよね、なんて思いながらたどり着いたお店は「」。

(実はこのお店、学生時代のバイト仲間の弟の同級生家族が切り盛りしている居酒屋だった。すごい偶然。)

カウンターに座った途端、

目に飛び込んできたのはカウンター越しにさばかれている「香箱ガニ」(メスのズワイガニ)

「香箱ガニ」は石川の冬の味代表。

11月の頭にカニ漁が解禁されてから食べられる期間は12月までのたった2ヶ月間。

そう、わたしはこれを食べにはるばる輪島に来たんだった。

早速香箱ガニで乾杯をしたら、その味の濃厚さと美味しさで1人で飲んでることなんてどうでもよくなった(やっぱり単純)。

初「香箱ガニ」は思わず無言で食べたくなるほど美味

卵がキラキラこんもり、細い足にぎっしりと詰まった甘くて濃厚な身は今まで食べたカニでもダントツ。

東京だと、きっと5000円はくだらないであろう香箱ガニはなんと一杯1000円。

その美味しさもびっくりしたけれど、リーズナブルな価格にも度肝を抜かれて1杯目がスタートした。


早々に伝えたい、連がいいお店だと思う理由

その日まで苦手だった「白子」は美味しすぎて連で克服

「連」がとてもいいお店だなあ、って思った理由を先に言うといくつかある。

  1. 地元のお客さんにもたくさん愛されていること。
  2. 遠方から毎年来ているお客さんがいたこと。
  3. 若大将と女将さんが、ひとりで飲んでるわたしを気にかけつつも、絶妙なタイミングで話しかけてくれたこと。

  4. お料理もお酒も美味しい上にリーズナブルなこと

  5. 一緒にお酒を飲んでくれたこと


1〜2はそのままだから割愛。

3が心地よくお店で過ごせた最大の理由だと思う。たくさん話しかけられるのが実は苦手だけど、程よく気にかけてくれて人見知りのわたしはすごく嬉しかった。そして、私のくだらない話も聞いてくれて、ホスピタリティの温かさが素敵で居心地がよかった。

4も素晴らしくって、どのお料理も叫びたくなるくらい絶品だったにも関わらずとってもリーズナブル。おかげさまで苦手だった白子はこの日を境に大好物に。

5は3と近いけれど、結局閉店時間過ぎてまで盛り上がってしまい、最後は一緒に飲んでもらいこれも素直に嬉しかったし、感謝の気持ちでいっぱい。温かさにあふれていて、気持ちがほころんだ。


そんな連の悩ましいところ

連で一番困ったことは、メニューがどれも食べたくなるところ。

ひとりで来ているから、胃袋にも限界があるしそんなにたくさん注文できない。

一発目にカニ・白子ポン酢・フグの唐揚げとスタートした私。

次の注文が最後になるか・・・そんなことを考えていた。

フグの唐揚げ、これもひとりで平らげてしまった…ふわふわ美味しかった


実際に、この時ツイッターで私はこんなことをつぶやいている。


まさかここで「食の岐路-輪島編-」に立たされるだなんて。

メニューがどれも捨てメニューがなくて、選びきれなかったのが一番辛かった

そんな時に、現れた救世主がカウンターのお隣さん。

話が盛り上がったお隣のご夫婦は、毎年この時期になると「連」にくるのだそう。

2人でも食べきれないから、シェアしよう。と言ってくれて私にたくさんお裾分けしてくれた。

救世主とはこのこと。

その後も2,3品シェアしてもらって苦悩の難を逃れた(ご夫婦に感謝!)。


最後には、お店の大将がおまけでゆずを使った一品をサービスしてくれた。

ゆずの蓋を開けるとふわっと爽やかな冬の香りと味噌の香ばしさが漂う。

スプーンでちみりちみりすくって味わう。これが日本酒との相性バッチリ。

最後までごちそうさまでした。


お昼のお寿司屋さんもそうだったけれど、どうしてみんな輪島の人たちはここまで温かいのか。

すっかり楽しくて日本酒を3合も飲んでしまってやりすぎたなあ、、なんて思った帰り道。

外はやっぱり寒いままだったけど、気持ちがとっても温かくなったからぐっすり眠れた。


「この子はまた輪島に戻ってくるよ。」


なんて言ってくれた女将さんとの約束も果たさなきゃいけないから、

今度は東京からお土産をたくさん持ってまた「連」に戻ってこよう、そうしよう。

2019年、今年訪れた数ある居酒屋の中でNo.1は間違いなく「連」だった。



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石川県輪島市河井町24-17-21

0768-22-8414

#地元の人でいっぱい #予約必須 

#地元グルメが味わえる #ひとりでも大人数でも

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