シンプルうまい、奥能登塩うどん
居酒屋「連」でたんまりと日本酒を呑み、
滞在先のホテルまでどうやって帰ったか全く記憶がなかった輪島1日目。
2日目はほんの少し楽しかった昨晩のことを引きずりながら、
レンタカーで能登半島をぐるっと回った。
△能登半島の先端に近づけば近づくほど、波が高くて厳しい表情の日本海が広がる。
朝、出発前に立ち寄った輪島朝市で食べた「えがらまんじゅう」が思いの外どっしりして、お昼ご飯は未定のまま。
ひとりで好きな曲をかけながら走る日本海の海岸沿いは、思っていた以上に最高だった。
予定もないし気になったところに立ち寄ろう、と思い海岸沿いのお店を横目にひたすらドライブ。
△輪島朝市名物の「えがらまんじゅう」。クチナシで色付けしたもち米を蒸したおまんじゅうはホクホクで、甘さ控えめ。朝ごはんにぴったり、血糖値はいい感じに上昇。
"THE地元の食堂"
ドライブが楽しくって、うっかりしていた。
時計は14時になろうとする頃。ランチタイムがそろそろ終わりそう、そんなタイミングに目に入ってきたのが「食堂」の文字。
なんとなくピンときて、海岸線の大きな看板と一緒にポツンと構えている
「曽々木食堂」に入ることに。
なんとも言えない、入口から漂う、"THE地元の食堂"感。
これはきっとナマモノ以外の選択肢もありそう。
というのも、初日からナマモノをたくさん食べたから、正直ナマモノにはいい意味で飽きていた。
輪島まできて贅沢なことを言っているのは、重々承知だけど、私は"お魚トランス状態"なんだ。
だからちょっとお魚を休憩したかった。
例えるならずっと好きな彼氏だって、毎日べったり一緒にいるのはたまに疲れる。
幸せなのはわかってるんだけどね、ちょっとひとりの時間も欲しいの、的な感じ。
このお魚トランス現象は輪島にきたらわかると思う。だからみんな早く輪島に行って欲しい。
"お魚トランス"から救ってくれる"シンプルなごちそう"
お店に入るとほんのり香る、お出汁の香り。うーん気持ちいい。
メニューを開くとパッと目に飛び込んできたのが「能登塩シリーズ」の文字。
塩のお料理はまだ能登にきて食べていなかったこともあり、
あ、この香りはもしかしたら…と思って頼んだのが「塩うどん」800円。
こんなに透き通ったおでんのお汁を見たことがなくて驚いた。
東京の手軽なうどんの価格から考えると少し高いかな?
と、思ったけれども、一口飲んでみたら価格以上の繊細さを感じるお味にびっくり。
口にお汁を入れた瞬間に、じゅわ〜っと程よい塩味が喉まで染み渡る。
今まで食べたことない初めての味。
東京の濃いお汁はもちろんだけれども、関西のお出汁や香川で飲んだうどん出汁とも違う、味の濃い塩ラーメンとかとも違う、魚のお出汁だけじゃない"塩のうまみが主役のお出汁"。
主役の"塩のうまみ"を引き立てる助演男優たち
トッピングで用意される「わかめ」と「かじめ」。
「わかめ」も旨味がぎゅっと詰まっているし、「かじめ」はシャキッとした歯ごたえが美味。
さっきまで海の中にいました〜!みたいな溢れ出るフレッシュさがすごい。
もしかしたら、東京で日頃食べているわかめはとっくに死んでいるのかも?と思ったくらい。
塩が主役ならば、この海藻たちは助演男優賞。すごくいい仕事をしてくれている。
トッピングしたら、海藻の香りがお汁の湯気と一緒に舞い上がって、一気に私の周りが幸せの蒸気に。
(ぜひ、大きく深呼吸して蒸気を吸い上げてから最初の箸を入れてみて欲しい。)
おうどんも程良い茹で加減。柔らかすぎず、コシ強すぎず、やさしい。
トゥルンっと吸い上げると、上品なしょっぱみが冷えた身体にもじゅわ〜っと染みる。
こんなにシンプルなのに美味しいおうどん体験は初めて。
あっという間にお汁まで飲み干して終了。儚いおうどん時間だった。
お店では「わかめ」も「かじめ」も販売していたので、思わずわかめを購入した。
東京で売っているように乾燥しているけれど、やっぱり自宅で湯に戻すと、恐ろしい速さで
「さっきまで海にいました〜!」感を出してくる。
能登の海藻は何か違うのだろうか…
今日も自宅で食べるたびにあの時のわかめの感動を引きずっている。
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石川県輪島市町野町曽々木シ57
0768-32-0211
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#地元グルメが味わえる #車必須
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